milk-ミルク-


俺の救世主は俺の肩に腕を掛け、



「今急いでるんです!!すみませーん、ほら行くよ!!」


と言いながら強引に歩き出した。




「えっ……ちょっと泉谷くん!!」


引きずられて行く俺は、先輩ににこやかに手を振って、

「アテがいるんですー」


と言った。


「何の話?」

はるかに高いところにある颯人の顔を見上げた。




「夏祭り。一緒に行こうって言われた」


「断ったんだ?」


「当たり前」




アテ、いますからね。

つーかアテじゃねえわ。



彼女、ですから。
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