milk-ミルク-
その言葉も虚しく、颯人の手には牛乳が握られていた。
「はい♪2番目の牛乳っ」
ニコッと笑って俺の手に牛乳を握らせる。
「冷たい……」
「おいしいよー?2番目の牛乳♪」
コイツに冗談は通じない……
「牛乳……」
パックを見つめ、白目を剥く。
ダメだ、飲めない。
誰がこんなまっじいモン飲めるかっつーの…
「ほらほらあー。渉、いっき、いっき♪」
ふざけて笑う颯人を、こんなに殴りたい気分に駆られたのは初めてだ。
そして、人をこんなに殴りたいと、殴って病院送りにしたいと強く思ったのは生まれて初めて。