milk-ミルク-



俺が知らないことが、まだまだ山ほどある。


颯人の過去だって、まだ少ししか知らない。




「…………んぐっ…」


時々漏れる颯人の嗚咽は、耳を塞ぎたくなるほど痛々しい声だった。



「……颯人」






いつもふざけている、バカみたいな颯人でも

辛い過去がある――




「……うっ…」



そう思った。
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