milk-ミルク-
牛乳を握力で握りしめ、颯人を睨む。
「颯人…もちろんこれはお前が飲むんだよな?」
颯人は首を傾けて、
「なんで?渉のために買ったのにー。
それに渉が選らんだんじゃん」
睨みに睨んでいると颯人は俺の顔を見て口を開く。
「……渉、そんなに見つめられるとさすがの俺も恥ずかしいぞ」
「アホかっ!!!」
牛乳で颯人の背中を叩き、渡し、俺は歩き出す。
そんな俺を「ちょっと…」と言いながら追いかける颯人。
俺たちのおふざけを笑って見ている周りの生徒。
別に、こんな光景は嫌いじゃない。