milk-ミルク-


昼休み中にトイレにいたのは俺だけ、周りはとても静かで。




思わず奥の窓を全開にして、顔だけをひょいと出す。



「………あ」

三階トイレのすぐ下には中庭があり、そこにいたのは



「渉真ーっ」

日和。




大きく手を振る日和に、俺も手を振って、


日和は

「またねー」
と言って、去っていった。




日和の顔を見ると、異様にホッと、安心して

またもやボーっとした。




その時、キィとトイレのドアが軽く開き、入ってきたのは


「……あ、泉谷じゃないすか」


屋橋。
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