milk-ミルク-
屋橋は手を軽くあげて、トイレから出て行った。
俺と颯人は、窓がある壁に2人でもたれ、
「渉」
さっきと全く違う、優しい声の颯人が言う。
「……渉が、反対するのわかった気がする」
背の高い颯人は、俺を横目で見下ろし、
背の低い俺は、颯人を横目で見上げ、
「……」
「変わるって、嫌だな……分かるよ」
小さく頷いた俺の頭に、颯人は優しく手を置いた。
そして、
「大丈夫」
と颯人は言った。