milk-ミルク-

軽く納得した上で、颯人を見る。



赤くなっている鼻を手でさすり、「痛い」と呟いていた。

「大丈夫か?」


答えは当然、
ニコッと笑って

「大丈夫」



颯人が大丈夫って言うときは、大丈夫じゃないとき。


でも鼻はどうしようもない。

だからもう、歩くしかないわけだ。




「……急ぐか」

足を早めて、階段を上がって、視聴覚室へ。
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