NAO



 誰が立っているのか見ないで、扉を開けた。


 目に入ったのは大きなスニーカー。


 下に俯いたままのあたし。


 たった一言……。


 “帰って”と言った。


 それを相手に伝えると、あたしは扉を閉めようとした。


 ガンッと扉に手をかざす人。


 あたしは相手の顔を見た。


 そこにはーー…。


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