NAO
そんな事を考えていると…。
「愛ちゃん、お父さんの様子はどう?」
私服姿の古賀さんが来た。
「まだ…起きないよ。」
「そっか…無理したのかもね。」
あたしは“うん”と小さく答えた。古賀さんは、あたしの横に座った。
「愛ちゃん、もうすぐで面会時間が終わるけど。」
古賀さんの言葉で外を見た。気づかなかった…外が真っ暗になっている事をーー。
そんなあたしに古賀さんは
「愛ちゃん、良かったら送って行こうか?」
あたしは何も答えない。目を覚まさない父さんが心配だから…。