NAO
「そうらしいわね。そんな素振りは見せないのにね。」
「そうよね。良い子なのにね。」
「えぇ。この前なんて、母親が面会に来て廊下で泣いていたわよ。」
「まぁ、可哀想に。まだ若いのに…」
その話にあたしは耳を傾けていた。
ナオが病気?何かの冗談だよね?
あの人達…別の人の話をしているんだよね?
グルグルとさっきの話が、あたしの頭を支配する。
そんなあたしに、追い討ちをかけるような言葉が入って来た。