NAO



 ナオはあたしを見ようとしない。



 「ナオ…あたしの事何とも思わないなら…何でこんな事するの?何で優しくするの?」


 「それは…友達…だから…」



 そう言ってナオはギュッと唇を噛み締める。



 「友達なら、何でもするの?抱きしめたり…キスだって…あたしに…期待を持たせる事ばかりして…酷いよ!」



 涙を流しながらあたしは答えた。


 自分でも何を言っているのか分からないほど支離滅裂。


 こんな事を言うつもりなんてなかった。


 “好きだ”って伝えるつもりもなかったのに…。


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