NAO



 ナオに抱きしめられた時…言わずにはいられなかった。


 ナオは唇を噛み締めたまま何も答えない。


 あたしはナオから離れて。



 「ごめん…さっきの事…全部忘れて。あたしも忘れるし。もう…友達もやめて…これからは…他人…お互いに距離を置いてさ。」



 流れる涙を拭いながら答えた。


 ナオに伝えると、あたしは屋上から出ようとしたーー。


 すれ違った時…ガシッと手を掴まれた。



 「なっ…離して!」


 「イヤだ」


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