NAO
それは、おばさんに会ったのはこれが初めてだから。
毎日のように面会に来ているあたしは、いつかおばさんに会うんじゃないかと思った。
だけど、何故か今まで会わなかった。
時間帯や、病室にいる時間が短かったかもしれない。
それでも“彼女です”って言っても良いのかもしれない。
だけど…あたしにはそんな勇気なんてない。
まだナオに…何も出来ていないからー…。
何も答えずに下に俯くあたしにおばさんは…。
「もしかして…直樹の彼女さん?」
おばさんの言葉に顔を上げた。
顔を上げたあたしにおばさんは納得した。