NAO
「もう、ここに来ないで。直樹の前に現れないで!」
あたしの襟を掴んだまま、おばさん恨むような目を向ける。
その瞳にはあたしへの…強い怒りが感じられる。
「おばさん…」
「あなたに、おばさんなんて呼ばれたくないわ!直樹を見捨てたあなたに…もう、私達の前に現れないで!」
そう言うと、おばさんはあたしを押した。
フラつく体はベンチから落ちた。
おばさんは、あたしの横に置いていた花束を取るとーー。