NAO



 ギュッと唇を噛み締めた。


 そんなあたしに古賀さんは、ギュッと抱きしめた。



 「愛ちゃん…今日だけ…特別だからね。」



 古賀さんの言葉に“え?”と顔をあげた。


 そこには優しい笑みを浮かべ、あたしの手を引いたー…。


 歩きながら古賀さんが…。



 「直樹君、今は寝ているから起こしちゃダメだよ。」


 「うん…」


 「少しだけ…2人きりにしてあげるから。」


 「うん…」



 強張った顔をするあたしに…。



 「直樹君を襲っちゃダメよ」



 と冗談のように話す古賀さん。


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