NAO



 「そんな事しないよ!」


 「愛ちゃん静かにして!」



 古賀さんはあたしの口を塞いだ。


 口を塞がれて、病院だと思い出した。


 顔を歪めれば、クスクス笑う古賀さん。


 手を引かれながら病室に向かった。病室の前に来たあたし。



 「後で、来るからね。」



 そう言って古賀さんは巡回に向かった。


 古賀さんが見えなくなると、扉に顔を向け1つ小さな深呼吸。


 扉のノブに手を置いて開けるとー…。


 真っ暗な病室に…窓から差し込む月明かり。


 暗くて中が見えない。


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