NAO



 本当は…ギュッと抱きしめたい。


 だけど…今はこれだけで充分。


 ナオを見て…温もりを感じれたから。


 あたしは古賀さんが来るまで、ナオの寝顔を見ていた。



 「愛ちゃん、終わった?」



 小声で声をかける古賀さんに頷いた。



 「じゃ出ようか?」



 そう言われて、扉に向かおうとしたけど…。



 「愛ちゃん?どうした…」



 動かないあたしに声をかけた瞬間ーー。


 あたしはナオの唇に…軽く触れる程度のキスをした。


 あたしの行動に、口を開けて驚く古賀さん。



 「ナオ…また来るね。」



 そう言って扉に向かった。


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