NAO



 玄関に向かう時、古賀さんが色々と言っている。


 だけど…あたしの耳には入らない。


 唇に手を当てて…自分の行動を思い出した。


 今考えれば、恥ずかしい行為ーー。


 初めてあたしからキスをした。そう思うと余計に顔が熱くなる。


 ナオ…あたし明日からまた頑張るから。


 おばさんから、追い返されても負けないから。強くなるから。


 そう心で呟きながら家に帰ったー…。


 このキスが…2人にとって最後になるとは…。


 誰も予想もしなかったー…。


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