NAO



 廊下に出ようとする2人。その話をあたしは聞いていた。


 どうしよう…おばさんに見つかってしまう。どこか隠れる場所がないか見渡した。


 だけど…隠れる所なんてない。オロオロしていると…。


 ーーガラッ!


 「あなた…何故ここにいるの!」



 鋭い目つきであたしを見るおばさん。


 隠れる場所がなくて、扉の前に立っていた。



 「ナオに…」


 「あなたが、ここに来ると迷惑なのよ。今すぐ帰って!」



 あたしはいつものように追い返された。



 「分かりました。明日…また来ます。」


 「何度来ても同じよ!」



 そう言われながら背を向けた時ーー。


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