NAO



 「大丈夫だよ。」


 「大丈夫…良かった。先生、ナオの病気は治るよね!」



 そう言うあたしに先生は…。



 「それは…」


 「先生?もしかして…治らないの?」



 先生は険しい顔で何も答えない。



 「うそ…だよね?」


 「愛ちゃん…治る方法は1つだけあるんだ。」



 先生は重い口でゆっくり話す。



 「だったらそれで治してよ!」


 「僕もそれで治したいけど…見つからないんだ。」


 「見つからない?」


 「直樹君のドナーが…」


 「ドナー?」



 あたしは眉間に皺を寄せて聞いた。隣で聞いていたおばさん。


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