NAO
隣にいたおばさんは泣いている。
「ナオ…死んじゃうの?」
先生は何も答えてくれない。あたしは先生の襟を掴んで
「助けてよ…ナオを…ナオを助けてよ!先生は医者でしょ!病気を治してくれるんでしょ!お願い…助けて…」
崩れるようにあたしは座って泣いたーー。
「愛ちゃん…ごめん」
そう言って先生はその場を離れた。
「今日は…もう帰って…明日から…来ないで…」
おばさんは、泣きながらあたしに言うと病室に入った。
あたしは1人廊下に残された。
「愛ちゃん…」
と声をかけて側に来たのは…。