NAO



 「古賀さん、泣くにはまだ早いよ。」


 「エヘッ、そうだね。でも…愛ちゃんに認めて貰えて嬉しいよ。ずっと…諦めていたから…」



 そう話す古賀さんの顔は寂しげな表情。



 「古賀さん…」


 「初めて会った時から好きになってた。奥さんと子供もいたし…諦めてた。それに、私って酷い女なんだよ」



 古賀さんはクスッと笑って話す。



 「どう…酷いの?」


 「愛ちゃんのお母さんが亡くなった時…少し喜んでしまったの。園田さんには、奥さんがいないからチャンスだと思って…」



 古賀さんは“酷いでしょ?”と言って話を続けた。


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