NAO
†18歳の冬



 ーー十年前。


 病室のベッドで俺は愛を待っていた。


 外でなる救急車のサイレンが聞こえる。


 そんな事、気に止めなかった俺のもとに…。


 ーーガラッ!



 「直樹君!」


 「先生、どうしたんですか?」



 ハァハァと息を切らせて…。



 「ドナーが…ドナーが見つかったよ!」



 興奮して声が大きい先生。



 「え…」


 「ドナーが見つかったんだよ!」


 「ほ…本当…ですか?」


 「本当だよ。親御さんに、連絡を取って手術を始めるから。」



 そう言って先生は部屋を出て行った。


 何が起きたのか分からなかったーー。


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