NAO



 「なぁ…母さん。」


 「何?」


 「あい…愛は…何で来ないんだ?」



 そう言うと、母さんの手が止まった。俺は母さんの方を見て。



 「何で…愛はずっと来てくれないの?」


 「ほっほら、前にも話したでしょ。愛ちゃんは忙しいから来れないって…」



 そう話す母さんは、俺の目を見て話さない。何か…隠していると思った。



 「母さんは、俺に何か隠してない?」


 「かっ隠してないわよ。」


 「だったら、何で俺の目を見て言わないワケ?手だって震えてるし。」



 俺の言葉に母さんはビクッと反応して、震える手を見た。


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