NAO
病室が静寂に包まれる中“直樹君”と呼ぶ声。
声のする方を見れば、手に手紙を持って来る古賀さん。
「直樹君…これ…」
そう言って俺に手紙を渡してきた。
「手紙?誰から?」
「九州にいる…愛ちゃんからよ。」
優しい口調で、引きつった笑顔を見せる古賀さん。
「愛…から…」
「そうよ。」
その瞬間、俺は古賀さんの手から手紙を取った。
ビリビリと手紙を開ける音。
カサカサと音を立てながら、手紙を開いた。
手紙を読む間静かな病室。
手紙を読み終えると目からは一粒の涙ーー。