NAO
手紙を読んで親父は状況を飲み込んだ。
「直樹…おまえ…読んだんだな…」
「あぁ…どういう事だよ!」
家中に響く声ーー。お袋は崩れるように泣き出した。
何度も“ごめんなさい”と謝りながらー…。
親父は泣くお袋の側に行き、背中をさすっている。
そんな親父達を見て…。
「…だょ…なんだよ…みんなで…俺だけ…俺だけ何も知らなかったのかよ!」
「直樹…すまない…」
「謝ってばかりじゃ何も分かんねぇよ!」
親父達は何も答えない。ただ…お袋の泣き声しか聞こえない。
そんな中、親父が口を開いたーー。