NAO
そう言いたいけど…そんな気力もない俺は…何も言わなかったー…。
「出て来ないなら…そのまま話を聞いて。」
「話…くれ…やめてくれ…」
かすれた声で言っても古賀さんには届かず…話を始めたー…。
「あの日…愛ちゃんが運ばれた時…」
ゆっくり話す古賀さんの言葉が耳に入る。
聞きたくないのに…勝手に入ってくるーー。
「病院に来た時はもう…脳死状態だったの。体は傷だらけで…」
震える声で話す古賀さん。
古賀さん…やめてくれよ…もう…聞きたくない…。
古賀さんは、俺の気持ちをムシして話を続ける。