NAO
なぁ…愛…。
全てを知った時…俺は…生きていけるだろうか?
愛がいない…この世界でー…。
俺はドアに“コンコン”と音を鳴らした。
「直樹君…それは…話しても良いの?良いのなら…ノックを1回、ダメなら2回鳴らして。」
そう答える古賀さんに俺は…。
ーーコンッ…。
1回だけ音を鳴らした。
「1回…話しても良いのね?」
ーーコンッ…。
「分かったわ。ちゃんと話すから、聞いててね。」
そう話す古賀さんに、返事は返さなかったー…。
俺は目を閉じて、ドアに体を預けて話を聞いた。