NAO
†ゆびきり



 翌日、俺は愛のマンションに行った。


 あの時と同じマンション。一枚の扉があの頃を思い出す。


 あの日…愛に謝りたくて来たマンション。


 だけど…話すら出来なかったんだよな。


 愛から“2度と顔を見たくない”と言われた時は正直ツラくてーー。


 全てを話そうと思った。


 それでも、話すら聞いてもらえなくて…もっと愛を傷つけるだけだった。


 何も出来なかった俺。それは今も変わらない…。


 俺は…キミに何が出来るのだろう。


 本当は、この場所に来るのも間違っているのだろうか?


 自分の気持ちと葛藤しながら、チャイムを鳴らした。


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