NAO
中からは“は~い”と柔らかい声が聞こえる。
“ガチャ”と扉が開くと、中から出てきたのはーー。
「こっ…古賀さん…」
驚いた顔で答えた。
「直樹君…いらっしゃい。」
柔らかい笑みを見せる古賀さん。
どうしてここに、古賀さんがいるのか分からない。
俺は表札を見た。そこには、確かに“園田”と書いている。
そんな俺に古賀さんはクスッと笑って答えた。
「直樹君、私ね…園田さんと結婚したの。」
嬉しそうに答える古賀さん。
「結婚…本当に?」
「うん。」
「いっ…いつ?」
そう聞いた時ーー。