NAO



 古賀さんは、俺が言いたい事が分かったのか頷いて…。



 「その子は“愛”って名前なの。」



 古賀さんの言葉に足が…ガクガクなる。震える膝を床につけて…。



 「愛…」



 目の前にいる小さな愛を抱きしめた。大声で泣く俺に驚く愛ーー。


 そんな事、気にしないで泣いた。


 愛…良かったな。


 日記に書いていた通り…妹が出来たんだぞ。


 愛が…望んでいた…妹。


 ただ…心残りなのは…キミがいない事ー…。


 玄関先でずっと泣いた俺。


 最近は涙腺が弱くなったのか…すぐに泣いてしまう。


 ソファーに座って思ったーー。


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