NAO



 ちょうど、信号が青になろうとしていた時の出来事。


 昼間の街並みだから…周りは驚いて見ている。


 頬を抑えて唯を見た。ギュッと服の裾を掴んで…。



 「バカな事…しないで…そんな事したって…愛は…喜ばないよ…」



 ボロボロと涙を流す唯ーー。



 「…んなの…そんなの分かってる…だけど…俺にはこの方法しか見つからないんだ!」


 「アンタ…見つからないんじゃなくて…逃げてるだけだよ!」



 唯の言葉が胸に突き刺さるー…。


 当たっている…そう…俺は逃げているだけ。


 分かっているからこそ余計に腹が立つ。


 弱い自分にーー。


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