NAO



 唯に…言われるまで気づかなかった…。


 俺は…愛を苦しめようとしたーー。


 ガクッとなる膝を地面につけた。


 やっぱり…俺はバカだった。自分の事しか考えていない…バカだった。


 ギュッと拳を作って地面を睨んでいたー…。


 ーーフワッと腕に包まれた。


 目を見開いて見上げればー…。



 「まっすぐ…生きようよ…愛の分まで…まっすぐ…」



 ボロボロと涙を流しながら唯は俺を抱きしめる。


 唯の言葉が…胸にしみるー…。


 愛…俺…まっすぐ生きるよ。


 愛の…ぶんまでー…。


< 350 / 367 >

この作品をシェア

pagetop