NAO



 「ねぇ、ナオ。」


 「何?」


 「生徒達にちゃんと話してよ。」


 「うん。」


 「絶対だよ。あたし達みたいな子が…増えないために…」



 愛の言葉にギュッと唇を噛み締めた。



 「この恋は…辛すぎるよ。だらさ…あたし達で…終わらせるために…伝えてね。」



 震える声ーー。


 たぶん…泣いているんだって思った。


 そうだよな…これ以上悲しい思いをする人が増えないためにー…。



 「愛…俺、ちゃんと話すから。」



 そう言って愛を見れば…笑っている。



 「ねぇ…ナオ。約束して。」


 「約束?」


 「うん。もっと沢山のシワを作ってあたしの所に来て。」


 「それって…お爺さんになってからって事?」


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