NAO
「そうだよ。沢山の幸せのシワを作って、あたしを見つけて。」
そう言って笑う愛。
「俺…そんな約束…」
「大丈夫。ナオなら出来るよ。」
「愛…」
「それと、一度もあたしに線香をあげてないでしょ?」
「あっ…ごめん…何かあげれなくて…」
「だと思った。今日くらい、あげてくれても良いんじゃない?」
そう言ってクスッと笑う愛。
「分かったよ。今日は愛の命日だらな。」
「そうだよ。あっ…そろそろ行かなきゃ…」
愛は俺から離れた。愛の体が段々と薄れてゆくーー。
「ナオ、約束だよ!」
「愛…あぁ、約束するよ!」
俺は親指を立てて笑った。
ここで出会った時と同じようにー…。