悪魔で天使王子



『菫ちゃん。映画どうだった?』

「最高に面白かったです。

会長映画選び上手いですね。」


『へへっ。それほどでも。』


「この後どうします?」


『帰ってもいいし、
このままぶらぶらしてもいいよ。』

「うぅーー。

優柔不断だから決められない。」



『じゃぁぶらぶらしながら帰ろっかぁ。』



「うん。」

いつもだったら

『そんなんさっさと決めろ。』

って怒るのに。

やっぱ優しい。



『菫ちゃん。鞄持ってあげる。』

「重たいですよ?」

『じゃぁ
なおさら持ってあげなきゃ。』

「有難う。」

いつもは逆なのに。





楽しい会話をしながら
帰っていたのに・・・。



『お前何、鞄持たせてんだよ。』

「あっいつもの会長だ。

戻っちゃったんだ。」


『もどっちゃ悪い?』

「優しくないもん。」


『あっそ。

鞄持って。』


「はいはい、」


『気分悪い。』


「えっ大丈夫ですか?」


『大丈夫じゃない。』



「家に誰か居ますか?」


『いない。』



「じゃぁ私の家に来て下さい。」

『なんで?』


「1人だったら心配だから。」


『行ってあげてもいいけど。』

やっぱり素直じゃない。
けどいつもよりはまし。かな?


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