【盲目の天使】番外編
それなのに、まったく呑気なことを・・・。
これだから、女ってのは困るんだ。
やっぱり、俺がしっかりとカルレイン様をお助けして、この国を安定へと導かなければ。
なのに・・。
アルシオン様やコウガイ将軍に挨拶する間も与えられず、俺は、母と数人の侍女に拉致され、
まるで、小さい女の子がする、お人形の着せ替えごっこのようなめにあわされている。
『こっちがいいかしらね』
『ですが、お色はこちらの方が』
『これでは、向こうとの釣り合いが取れないし』
釣りあいってなんだよ、そりゃ。
今日は、カルレイン様たちの結婚式だってのに。
なんだっていうんだ、まったく。
俺は、頬を膨らませたが、
母の非難するような恐ろしい目つきに、思わず視線を逸らした。
はあ~。
なんだかこれじゃあ、俺が花婿みたいじゃないか。