【盲目の天使】番外編
カルレイン様が、両手を下に向けると、民衆の歓声がおさまり、静かになった。
みんな国王の言葉を聞き漏らすまいと、固唾を呑んで見守っている。
と。
「皆聞いてくれ!
今日、俺は、ここにいるリリティスを妃に迎え、至上の喜びに満ち溢れている。
そしてもう一組、俺とともに苦労を分かち合った部下が、
今日ここで、妻となる人物に、永遠の誓いを立てる。
皆には、ぜひ、その立会人になってほしい!」
カルレイン様の声に、民衆は一瞬きょとんとしたが、すぐに、うお~と大きな歓声が上がった。
なんだ?
一体何の話だろう。誰か、結婚するのか?
一体誰が結婚するんだろうかと、首をかしげる俺に向かって、
カルレイン様が手を差し伸べる。
ん?誰なんだ?
俺は、自分の周りの誰がそんな大胆なことをしでかすのだろうかと、きょろきょろと首を回した。
「マーズレン!何をしている!さっさと来い!!」
は?
はああああああああ?
聞いてませんけど!!