【盲目の天使】番外編
「ちょっ!なっ!」
腰の引けている俺を、コウガイ将軍が、がっしりと捕らえ、ずるずるとカルレイン様の横に、引きずり出す。
「と、いうことだ、マーズレン。がんばれよ」
カルレイン様が俺の耳元に、小さくつぶやく。
まるで、悪魔のように・・。
おろおろする俺の目の前には、リリティス様に連れられ、しずしずと歩いてくる美しい女性の姿。
「えっ?うそ?ルシル?!」
真っ白の衣装に身を包んだルシルは、きちんとお化粧をしていて、髪の毛も複雑に結ってある。
頭にも沢山の飾りがしてあって、少しうつむいて頬を染めている様子に、
俺の心臓がばくばくと打ちつけ始めた。
・・・ルシルって、こんなに美人だったっけ?
俺は顔から火が出そうなくらいに熱く感じて、ルシルの顔をまともに見ることができない。
ど、どうしよう・・・。