【盲目の天使】番外編
「あの・・マーズレン」
俺の目の前に来たルシルが、恥ずかしそうに俺を見上げる。
「あ、えっと、その・・・き、きれいだよ。ルシル・・」
思わず正直な感想を述べると、ルシルの顔が、さらに赤くなる。
民衆たちが、口笛をならして、
がんばれよ!大将!
男は度胸だ!
なんて、口々に叫んでて。
俺は、助けを求めて、周りを見渡すけど、みんなにやにや笑っているばかりで、
俺がどうするのか、興味津々って顔だ。
と、一人の青年と目が合った。
あ、ライト。
彼は、腕を組んで、俺をねめすえるように真剣にこちらを見ている。
俺は、はっとして、ルシルに向き直った。
そうだ、俺は、ルシルを守るって誓ったじゃないか。
それをもう一度、皆に聞かせればいいだけのことだ。