【盲目の天使】番外編
そして、今日も、相変わらず城の中は賑やかだ。
リリティス様は結婚後すぐに姫君を授かり、続いてカナンの跡取りに恵まれた。
ルシルはその世話もあって、目の回るような忙しさだ。
2番目の姫君がお産まれになって数ヵ月後、ルシルの妊娠が発覚する。
そして、俺は念願だった父親になった。
「きゃ~。マーズレン!この子のオムツを替えてちょうだい!!」
「えぇ?俺がかい?」
「何言ってるのよ!
今時、子供のオムツの一つや二つ替えられないで、男といえる?」
男の基準って、そんなところにあるんだっけか?
わかってたことだけど、もはや俺は、完全にルシルの下にしかれている。
仕方ないなと言いながら、子供のオムツを替える俺。
実を言うと、ルシルに指図されるの・・・悪い気はしないんだよね。
むしろ、落ち着くっていうか・・好きなのかな。
よく考えれば、俺はずっと命令される立場だったから、それに慣れてるとかなのかも。