To you ...
きょろきょろしていると
一人のおじいさんが私に気付き
微笑みながら手招きをする。
引き寄せられるかのように私は
おじいさんの元へ…。
そばにきた私に
おじいさんは優しく微笑む。
「あの~…、ここって何処なんですか?
あたし、全然思い出せなくて…」
おじいさんはキョトンとしながら
何かに気付いたように
また優しく微笑む。
「思い出せないなら
無理に思い出さなくていいさ」
そう言ったおじいさんの声は
笑顔と同じように優しくて
そんな優しい空気が私たちを包む。