そらいろ◇すくーるらいふ
葉子の事情
葉子とは小学校からの仲だ
だから地元も一緒で、うちらは真波より先に電車を降りた
「ね、葉子」
「…なぁに?」
「あれ、嘘ついたままにするつもり?」
「まさか ちゃんと言うよ
今日帰ったらメールしようかな、って」
「なら良いや」
そう、葉子は振ったんじゃない
振られたんだ それも一昨日
葉子は彼の事を本当に思っていたと思う
けど、あのプリを撮った頃は逆も同じで
人前ではあまりいちゃつかないが、二人きりになると甘い時を過ごして
葉子によると、振られた理由は他に好きな人ができたかららしい
ちょっと前まではあんなにも――うちと秋也(佑綺の彼氏)が羨ましいくらいに――想い合っていたのに
それが脆(もろ)くも崩れ去ったのだ
うちは、少しでも忘れてもらえるように、精一杯明るく話す
うちには、それくらいしか出来ないから
「葉子ー
久しぶりに寄り道しようよっ!」
「あ、良いね
どこにする?」
「じゃあ、カラオケ行かない?」
「うん せっかくだから真波ちゃんもいれば良かったね」
「ああ!
また今度は三人行こうね!!」
うちらは頷き合って、よく行くカラオケボックスへ向かった