そらいろ◇すくーるらいふ
カラオケボックスは思ったよりも空いていた
私は佑綺の考えてる事が少し分かってしまった
それが嬉しくもあり、嫌でもあった
「先入れて良い?」
「良いよ」
佑綺は部屋に入るやいなや入れた曲は、ハイテンションで前向きな応援ソングだ
その歌は悲しい事や嫌な事なんて忘れちゃえ!というのがテーマらしい
佑綺が明るいのはいつもの事だし、この曲もよく入れている
私がなんとなくだけど気付いた事は、佑綺が私に振られたのを忘れてもらおうとしているという事
―私は忘れたく、ない
だって彼と過ごした日々はキラキラ輝いて、今でも胸の中で輝いてるのに
だってまだこんなにも彼を好きなのに
忘れるなんて、絶対に嫌
嫌…嫌だよ…
気付いたら私の目は涙でいっぱいだった
幸い、佑綺は画面に釘づけなのでばれる事はなかった
でも、涙が止まらない
私はトイレ行くね、と呟いて部屋を出た