そらいろ◇すくーるらいふ





カラオケボックスは思ったよりも空いていた

私は佑綺の考えてる事が少し分かってしまった

それが嬉しくもあり、嫌でもあった

「先入れて良い?」

「良いよ」

佑綺は部屋に入るやいなや入れた曲は、ハイテンションで前向きな応援ソングだ

その歌は悲しい事や嫌な事なんて忘れちゃえ!というのがテーマらしい

佑綺が明るいのはいつもの事だし、この曲もよく入れている

私がなんとなくだけど気付いた事は、佑綺が私に振られたのを忘れてもらおうとしているという事

―私は忘れたく、ない

だって彼と過ごした日々はキラキラ輝いて、今でも胸の中で輝いてるのに

だってまだこんなにも彼を好きなのに

忘れるなんて、絶対に嫌

嫌…嫌だよ…

気付いたら私の目は涙でいっぱいだった

幸い、佑綺は画面に釘づけなのでばれる事はなかった

でも、涙が止まらない

私はトイレ行くね、と呟いて部屋を出た










< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop