半妖時雨
執事らしきモノは、晴氷に一礼して人を渡した。
『そいつは、はるひ。おまえにやろう…
いきがかりゆえにひろってやったのだ…せいぜいそいつとなかよくすることだ…』
執事らしきモノは言って聞かせた。
『わたくしは、珠季(たまき)と申します。
晴氷様…くれぐれもお気をつけて。では、失礼致します…』
そう言って珠季と謎の影は砂のように消えていってしまった。
『…………。』
晴氷は人を抱えたまま先を急いだ。