キミに出会えて
その後の事は全部覚えていないが、何故か話がどんどん進んでいた。

俺が名前を言ったら向こうも名前を教えてくれて、向こうが聞いてくると俺が答えるみたいな感じで。


意気投合というのだろうか? まだ声しか聞いてない人と、かなり意気投合した気がする。

彼女の名前は
「工藤優菜」(くどうゆうな)

俺と同じ学生で大学生。年は俺より一つ上の二十歳らしい。

そして名前に同じ「優」がある事も分かった。

彼女は元カレの○○君を探しているらしく、たまたま番号を一つ押し間違えて俺にかけてきたみたいだ。


お互いを少し話した所で、

「あ、ごめん!友達から電話きたみたい!」
そう言って電話を切ろうとした時、

「ちょ、ちょっと待って!」

「?」

「また......かけてくれないかな?」

自分で何を言ってるのかとツッコミたかったが、真剣にそう思った。

彼女は一瞬びっくりしたようだったが、

「うん、いいよ!」

そう言って電話を切った。
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