キミに出会えて

次の日、なんだか不思議体験をして現代に舞い戻った主人公のような気分で学校に行った。

授業中に荒巻が
「昨日の番組みた？マジウケるんだけど！」
と相変わらずな事を言っている。


そう。普段と変わらないんだよ。なのに落ち着きがない。

「あ～あぁ」

思わずタメ息がでる。病んでる訳じゃないのに。

頭の中に彼女の声が響いている。先生の声は右から左に抜けていくのに。

落ち着かないまま、授業を終えて学校を後にした。

アパートに帰ると、いつもなら洗濯をしたりと忙しいのだが。

今日はテキトーに片付けて携帯を見ていた。
なんか.......今日電話がくる気がして。

「あほくさ」

よく考えればそうだ。何をやってるんだ赤木！

そう思って携帯を置こうとした瞬間！

「マジできた！」

速攻で電話を取る。

「も、もしもし」
緊張して軽く声が裏返った。

「あはは！優弥君大丈夫？」

明るい笑い声が聞こえてきた。恥ずかしかったんだけど、嬉しかった。