抜けないリング~先生の薬指~
「男、興味ないから。」
「えぇっ、嘘!?かんちゃんってそっち系…」
「違うわっ!」
そう、男なんて興味ない。
彼氏なんていらない。
今年で十七年の生涯。男と付き合った経験はない。居なくても困ることはないし、居たら逆に面倒くさいだろうから。
女の子だけの世界が居心地良い。
だって男さえ居なければ、居なければ…
――みんな、へいわになれるんだから
「どしたの?だいじょぶ?」
目の前でヒラヒラと伊奈の手が揺れている。私の顔を不安そうに覗き込んだ彼女は、私と目があって笑みを浮かべた。
拳を強く握っていたせいか、右手が少し痺れている。
あまり心配を掛けちゃいけないよね。
友達だから、心配は掛けたくない。
「だいじょ…」