抜けないリング~先生の薬指~



銀色に輝く指輪が、
大きな音をたてて転がる。

私の手の上で
あなたの指輪が踊ってる。



――綺麗ですね。
乾いた言葉に苦笑を混ぜても、


――…だろ?
無邪気なあなたは見破れない。




ねぇ、先生。
この指輪、私が触ってよかったの?


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