抜けないリング~先生の薬指~



美しい指輪が教えてくれた、
私の醜さ。




先生の優しさが、私にだけ降り注げばいい。


先生の笑顔が、私だけを照らせばいい。






行き着いた先に大きな窓があった。
空がぐずついている。


ほろほろと雨が降る。雲からではなく、コンタクトレンズが張り付いた瞳から。



誰かが煙草を吸ってるのか、細い煙がこの窓まで上ってきた。




三階、北校舎にてうずくまる。






この感情は、恋。


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